ARIBが開発・標準化を行っている主要な電波利用システム
2019年10月現在
(注)既存のARIB標準規格の改定に止まるものは除く
1.システム一覧
分野 | システム名 |
---|---|
通信分野 | |
第5世代移動通信 (5G/IMT-2020) | |
BWA | |
ITS | |
無線LAN | |
M2M | |
自営無線 | |
テラヘルツ波利用システム | |
気象レーダー | |
放送分野 | 超高精細度テレビジョン放送(UHDTV) |
V-Low マルチメディア放送 | |
電磁環境分野 | 生体電磁環境問題 |
不要電波問題 |
2.システム説明
第5世代移動通信 (5G/IMT-2020)
システムの概要と特徴 |
○2020年代の移動通信システムであり、日本は2020年の商用化が目標 ○社会インフラとして、超高速・大容量、超大量接続、超低遅延を目標 |
---|---|
開発事項 |
①3GPPへの提案仕様の検討及び3GPP仕様のARIB規格化 ②IMTに関する技術条件の調査、ITU-Rへの提案文書・対処方針案の検討 ③国内外の標準化関係機関との連絡調整 ④国内外の研究開発動向、商用化動向の調査 ⑤国内外の5G推進団体との連絡調整、各種イベントの企画 |
委員会等 | ①~③ 高度無線通信研究委員会 ④~⑤第5世代モバイル推進フォーラム(外部団体) |
BWA
システムの概要と特徴 | ○広帯域移動無線アクセスシステムであり、室内で利用する無線LANとは異なり、無線基地局から出力される電波によりデータ通信を行う。 ○WiMAXフォーラム、XGPフォーラムなどの業界団体のシステム標準の新リリースを反映 |
---|---|
開発事項 | ①2.5GHz帯Mobile WiMAX、XGPシステムに係るARIB標準規格の維持改定 ②WiMAXフォーラムやIEEE等の国際標準化機関との連携、調整 ③地域BWAシステムの普及推進活動 ④XGPシステムの普及推進活動 |
委員会等 | ①、②高度無線通信研究委員会 ③地域BWA推進協議会 (外部団体) ④XGPフォーラム (外部団体) |
ITS
システムの概要と特徴 | ○ETC、安全運転支援システム、衝突防止レーダーなどの高度道路交通システム(ITS) ○自動走行システムを支援する通信システムの検討を自動車工業会と連携し着手し、LTE V2Xの利用に関しても検討中 |
---|---|
開発事項 | ①79GHz帯高分解能レーダー、5.8GHz帯/700MHz帯 ITS等に係る仕様のITUへの提案 ②Connected Car /自動走行システム向け通信仕様の検討 ③ITSへの5GLTE活用検討 ④欧米やアジアの関係機関との連携、調整 ⑤ITS関連標準の国際動向調査 |
委員会等 | ITS情報通信システム推進会議(外部団体) |
無線LAN
システムの概要と特徴 | ○高速広帯域の無線アクセス技術。IEEE802.11、802.15などIEEEにて国際標準化 ○利用の拡大に伴い、信頼性向上と高度化が重要課題 |
---|---|
開発事項 | ①2.4GHz帯及び5GHz帯無線LANについて、信頼性の向上及び高度化等のための研究開発及び標準化等の検討 ②次世代無線LAN(802.11ax、802.11be等)の調査及び標準化 |
委員会等 | 技術委員会 |
M2M
システムの概要と特徴 | ○欧米、アジアの地域標準化機関が共同(oneM2M)で標準化した機器間通信システム |
---|---|
開発事項 | ①oneM2Mへの提案仕様の検討 ②国内外の関係標準化機関との連携、調整 |
委員会等 |
自営無線
システムの概要と特徴 | ○電気通信事業以外の様々な業務分野において音声通信やデータ伝送に利用される業務用移動無線システム(防災行政無線、MCA無線、簡易無線等) |
---|---|
開発事項 | ①国内外の自営無線通信システムの現状と動向に関する調査検討 |
委員会等 | 自営無線通信調査研究会 |
テラヘルツ波利用システム
システムの概要と特徴 | ○光ファイバー級の高速無線通信、およびミリメートル級の高分解能な非破壊非接触センシングを可能とするシステム ○主に250GHzから1THzの周波数帯域が対象 |
---|---|
開発事項 | ①テラヘルツ波を利用した様々なアプリケーションの開発と、それらの普及に向けた課題の調査検討 |
委員会等 | テラヘルツ調査研究会 |
気象レーダー
システムの概要と特徴 | ○降水分布や風向・風速等の観測を行うシステムでその結果を基にした気象予報や災害情報を提供する。 ○主にC-Band(5GHz帯)、X-Band(9.7GHz帯)を使用 |
---|---|
開発事項 | ①広範なユーザニーズや利用形態を調査し、各種気象レーダーシステムの最適周波数帯の明確化及び技術要件の調査検討 |
委員会等 | 気象レーダー調査研究会 |
超高精細度テレビジョン放送(UHDTV)
システムの概要と特徴 | ○4K・8Kと呼ばれる高精細、高機能の放送サービスである超高精細度テレビジョン衛星放送 ○2016年BSによる試験放送、2018年BS/CSによる実用放送、2019~2020年BS/CS実用放送の拡充を予定 |
---|---|
開発事項 | ①放送局から受信機までの放送方式に係る開発と標準化 ②放送局内のスタジオ設備に係る開発と標準化 ③FPU、SNG等の素材伝送システムの開発と標準化 ④標準動画像の制作をはじめ画質、音質の適正な評価方法の開発と標準化 |
委員会等 | 技術委員会 ①デジタル放送システム開発部会 ②スタジオ設備開発部会 ③素材伝送開発部会 ④品質評価法調査研究会 (2016.3末活動終了) |
V-Low マルチメディア放送
システムの概要と特徴 | ○99~108MHzを使用する地方ブロック向けの地上マルチメディア放送 ○2016年3月から一部エリアで放送開始。順次エリアを拡充し、2019年4月から全国7地域で放送中 (i-dio放送は2020年3月31日で放送を終了予定。V-Alertはその後も継続) |
---|---|
開発事項 | ①放送方式の高度化に係る開発と標準化(高音質化、地域の防災・安全情報の伝送等) |
委員会等 | 技術委員会 |
生体電磁環境問題
システムの概要と特徴 | ○無線システムからの電波が人体に与える影響 |
---|---|
開発事項 | ①人体に与える電磁現象やその測定法に関する情報収集と調査研究 ②WHO等国内外の関係機関との協力 ③人体に与える影響をはじめとした電磁環境に関する正しい知識の普及啓発 |
委員会等 |
①、②調査研究部会 ③広報部会 |
不要電波問題
システムの概要と特徴 | ○無線システムからの電波が他の電子機器に与える障害の防止対策 |
---|---|
開発事項 | ①無線機器が医療機器や他の無線機器に与える影響、障害などの調査、情報収集 ②こうした不要電波による障害防止のための対策(許容値、測定法等)の検討 ③CISPRなど国内外の関係機関への寄与 ④不要電波問題に関する啓発、広報 |
委員会等 | 電波環境協議会(外部団体) |